静かなカフェの音風景、耳からの心地よい”音風景”を眺めてみる。

朝、東京は表参道のカフェ。
まだ開店したばかり、ウォームアップ中の店内にいたのは2組のお客さんだけ。

P1150692_1
ここまでゴージャスでは無いけれど、エレガントで素敵なお店でした。

東京に住む友人を訪ねると、結婚式も催される素敵なカフェに連れて行ってくれました。

クラシックな色調と落ち着いた照明。
店内に響くは、カチャカチャとした食器の擦れる音。店員さんの、レンガを歩くようなコツコツという足音。他のお客さんが、無言で新聞をペラリとめくる音。

お店の人が珈琲を注ぐその音まで聴こえてきそうな、すこし、自分のグラスを動かす音にさえ気を使ってしまいそうな、でもピリピリとしている訳でもない落ち着いた静かな空間。

そんな店内の音は、耳に心地よく響くきれいな音風景でした。

 

02-002_02

 

誰かが作曲したもの・つくったもの・誰かが歌っているものだけが「音楽」なのではなく、日本にむかし、秋の夜長に虫の音を楽しむ「虫聴きの会」があったように。

食器のすれる音や人によって異なる足音、
車の走る音やホームでの待ち時間のざわつき。

これらすべてを一つの音楽として、街の景色を眺めるように、耳から「音の風景」として眺めてみるのもまた一興。

 

学校で習う「音楽」や、作曲されたものだけが「音楽」なのではないはず。

暮らしのなかで聴こえる音。
トントンという包丁の小気味良いリズムや風の音、木の葉がハラリと落ちる音。はたまた渋谷スクランブル交差点、電子音も交通音も騒ぎ声も話し声も楽器も入り交じる、おと。

 

むかし会社の休憩室で。
机につっぷして寝たふりをしながら「この足音はどの営業さんの足音だろう?」と、ひとり足音あてゲームをするのが好きでした。

すぐその後に声が聞こえて正解が分かるのですが、強さや速さ・靴と床が擦れるタイミングや左右の音バランス、意外と足音って癖があって個性的。

「音楽」だけではなく、日常生活の「音」も楽しんでみると面白いかもしれません。

 

※「音の風景」ーこれは、カナダの作曲家であるマリー・シェーファーが提唱した「サウンドスケープ」のこと。「日本の音風景100選」なんかもこの流れを汲んでいるはず。
彼の著書『教室の扉』『サウンド・エデュケーション』は音楽教育やワークショップで取り入れられるネタが満載。タイトルセンスが素敵が『世界の調律』は宇宙のリズムにまで話が広がる哲学も入った内容。ブ厚い系の本ですが、ご興味あれば…