熱田神宮近くの丹羽ふとん店さんへ

愛知県は熱田神宮の近く。
先日、海外からの注文もあるという150年の歴史を持つ「丹羽ふとん店」さんへ行ってきました。

名古屋の大通りから少し入った下街感のある道沿いの交差点。
数年前に改装されたという純和風な店内は、暑い日でしたが気持ちのよい空間でした。

写真右上にあるエアコン部分は、冬には下に立てかけてある障子で隠せる仕様。デザイナーさんと相談しながら作られたそうですが、流石だなぁと思います。
入り口横に置いてあった、木組み感のある手触りの良い木製箒(ほうき)と塵取りセットもおしゃれでした。

丹羽ふとんさんの布団は、現在三年待ち。
内閣勝利大臣賞や「現代の名工」・「藍綬(らんじゅ)褒章」等をいくつも受賞。四代目・五代目ともに技能グランプリで優勝されている職人さんの作るお布団は一生物。
質の良い木綿布団は、お手入れや面打ち等メンテナンスをすることで何十年と使えるのです。

手作業により1日4枚しか作れないという布団には、実際に海外に足を運んで選ばれた3種類の綿が使われているそう。インド綿2種類とメキシコ綿1種類をその場で触らせて頂きましたが、確かに柔らかさが違います。

この日お会いできたのは、どっしりとした下駄が粋だった五代目の丹羽拓也さん。20代前半までは大手会社員、お父様の布団職人を継ぐ予定はなかったそうですが、現在は自ら綿栽培をして研究されるほど想いをもって活動されています。

店内を見ている時に、綿100%ではなく5%のポリエステル素材を使った商品を発見。
5%には理由がありそうだとお聞きすると、自然素材は本当に良いけれど、綿だけではすぐに潰れてしまう、人肌に触れない中心部にのみ極わずか、適したポリエステルを入れることで長持ちするのだとか。

化学繊維を頑なに避けるのではなく、良い部分は活かして現代に見合うよう使っているとのこと。成分数%で使用感に差が出るのだとか。

大切な伝統技法は守りつつも、百貨店でのイベントやふとん作りの講演会等、現代生活になじむ工夫や努力もされているからこその「三年待ち」なのですね。
一個人の写真撮影やブログ掲載にも快くOKをしてくださいました。

友人が髙島屋で知り、たまたま一緒にお店を訪れた丹羽布団店さんですが、わたしも布団や枕を作る時にはココがいいなぁと思いました。

日本の伝統文化に、スピード速さ・目新しさ華やかさは無いのかもしれません。しかし、日々を大切にいきること・自然とともに生きられる暮らしを考えるうえで、とても大切な事を含んでいるはず。

昔ながらの生活スタイルや文化は、古臭い・ダサい・今っぽくないとあしらわれてしまうこともあるかもしれませんが、伝統文化は長い年月を経て洗練された形。

本質は変えずに受け継ぎつつも、各時代にあった形を職人さんたちが緻密に研究されてきたからこそ、現代までその文化が続いているのかもしれません。

そうして、そんな素敵な生産者さんの作ったモノに囲まれて暮らすこと。大切にしたいと思えるものを、修復をしながら長く使うこと。それは、なんて豊かなのだろうかと思う最近、なのであります。