ごく軽い共感覚なら誰でも持っているのでは…

共感覚。
ひとつの感覚から、他の感覚が呼び起こされること。音に色を感じる、文字に色が見える等、いくつか種類があるようですが、ごく軽いものなら当たり前に誰でも持っているものでは?と思ったりします…。

私の場合、音や香りに色や形、質感を感じることがたまにあります(感じないものも多い)。

◎ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番ハ短調の第三楽章。
一番盛り上がるところは霧がかった淡〜中くらいのきれいな紫。曲の山場に向けて薄い紫の霧が晴れていくようなイメージ。

というか、この部分は割と鮮明な映像。
ジャングル奥地にある沼地、優美なフラミンゴの群れ、だんだんと晴れる霧、フラミンゴの鳴き声を連想させるヴァイオリン、というイメージが初めてホールで聞いた時に想起されました(全カラー映像)。フラミンゴがジャングルに住んでいるのか、どんな鳴き声なのかの正しい知識はありませんが…

◎ベートーヴェンの運命。
第一楽章、オーボエソロから1分程の情景。
(アニメにありそうな)何も見えない真っ暗闇、不安定な階段の足場だけがみえる、駆け上るその瞬間から、足場から足を離す瞬間からボロボロと階段が崩れ落ちていく…。断崖絶壁ガケの上に辿り着いたけれど、、みたいな情景とか…。。

すべて曲によって例外ありますが…↓

◎ラヴェルの音楽は、全体的に透明感のある寒色系、暖色でも黄みは少ない色、キレイな色ガラス。

◎ドヴォルザークは全体的にアースカラー、温かみのある暖色系。

◎チャイコフスキーは全体的に色彩豊か。作曲家への特定カラーは無し、曲によって色が違う。

◎ドビュッシーはまさに絵画の印象派。淡いパステルカラーの織りなす和音。曲「アラベスク」、一瞬キラッと優しい夕焼けの波がゆらいで輝くみたいな部分がある。

的な、、、
イメージが、、、。

すべて単一カラーな事はなく、グラデーションやマーブル、霧がかっていたり他の色もあったりします。

(各作曲家で例外もあるし、連想されないこともある。色を感じない曲も多いし、特に強く色を感じるのは曲の一部分。色を感じない曲も多い。「知識」が影響している部分もあるかもしれないと思っても、最初に挙げたラフマニノフの薄紫なんかは、作曲家についても曲についても何も知らない状態で想起されたから全部が全部そうでもないのか)。

全体的に、和音は色彩、リズムは形。
明るい和音は暖色系、暗い和音は寒色系。

不協和音は全体的に音が濁るイメージだけれど、逆にラヴェルみたいに濁らずにそれぞれの音が輝く時もある。(これらどれも、全てには言えない気もするし、想起されないものも多い。私の場合は「想起されるものがある」という方が近いかも。)

ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」はカンディンスキー?的な幾何学的な形を想起する部分もある(カンディンスキーの絵より整っていて色数も少なめ、色は濁っていない、同じ幾何学でもパウル・クレーほどの可愛さはない)。

、、とか、、。

でもコレって、多かれ少なかれ誰もが持っているものなのでは…???とずっと思っていました。音楽を聞いて色や情景がイメージされるって、ちょっと位なら普通なのでは…逆に完全なる「ゼロ」な人もいるのかという感じ。

というのは、私がとても軽い共感覚を持っているからなのかもですが、書籍「最新脳科学でわかった 五感の驚異」にも「誰でもある種の共感覚が備わっている」と書かれていました。(P.400)
本では「高い音ほど明るい色、低い音には暗い色」をなんとなーく感じるのではと例に上げていました(「黄色い声援」とかの表現もあるし。「硬い音」「柔らかい音」とかもそうなのでは…)。

もっと分かりやすいのは「ブーバとキキ」の実験(これも本に書かれていたこと)。その実験を超簡単に書くと…

1、被験者にふたつの図形を見てもらう。
ふたつの図形とは、「丸みのあるアメーバのような形で、雲のような輪郭。もうひとつはずっと角ばった形で、輪郭はギザギザに尖っている」。

2、「ブーバ」と「キキ」。
この名前をきいて、どちらがどちらの形ぽいかを被験者に尋ねる。

3、実験結果。
被験者の95%は「ブーバ」は丸みのある形の方で「キキ」は角ばって先の尖った方を選んだ(2歳半の子どもでも同じように答えるとの事)。

これも、無意識に音に形を重ねているのでは。
ごくかるーい共感覚(レモンと聞いて、レモンイエローを思い浮かべるのと何か違うのかな、、)。

「さわやか」と聴けば、そよそよと風が通るさわやかなイメージがするけれど、「ざわやか」と聴くと、風は吹かない(というか、吹きようがない)。このイメージの違いには、言葉の意味と知識で判断している以上の違いがある気がしますが、なんとも、個人的なイメージの話なのでどうなのでしょうか、、、。

(参考)
「最新脳科学でわかった 五感の驚異」ローレンス. D・ローゼンブラム (著)、齋藤 慎子 (翻訳)、講談社、2011