美白信仰なぜ物語その弐。一般論とシャネルで広まった小麦色の肌

今の日本の「美白信仰」はどこから来るのか。
深い起源を知りたくて読んだ『都風俗化粧伝』。

しかし、分かったのは江戸時代には既に美白信仰があったということ。いま他の美容歴史本も読んでいますが、アレですね、アレ!

無理!
ちょっとやそっとの一朝一夕では、私が求める答えをまとめられません。歴史の大きな潮流を簡単にはまとめられません。

(今、別の本で古代エジプトや古代文明の美容にまで遡っています。面白かったのは、昔からどこか国では「最近の若いモンは、こんな公衆の面前で化粧して〜」と言われていたこと)。

■美白信仰の歴史:一般論

一般論はこんな感じかと思っています。

◎屋外労働のない特権階級は肌が白い
(ただ単に外出時間が短いので焼けない)

◎美の基準や流行、美の追求は、どの国でも特権クラスの人達が作ってきた

(というか、平民農民は「生きる」が第一命題。「美」をガッツリ追求する時間や余裕が無かったはず、お花の髪飾りとか、そいう気軽なのはあったと思います)

別の言葉で言うと…

(貴族)
・美の基準はわらわ達ぞw

(一般人)
・貴族、羨ましいベース
・白いのが美いことか!
・白くなりたい〜

あとは、希少性と白色の持つ宗教的で神秘的な意味合いもある気はします。

■【現在】欧米は健康的な小麦肌が良し

きっと長く続いたであろう美白信仰。
ですが、欧米には現在の日本のような強い「美白信仰」はありません。むしろ、日光浴で日焼けした肌の方が好まれる傾向。

その理由の、これまた一般論は…

・ヨーロッパは年間を通して日差しが少なめ
・日差しが少ない地域で、日光浴は大切
・太陽がしっかり出ている場所で太陽浴びたい
・バカンスやレジャーで日光浴するぞ!
・日光浴できるのは生活に余裕がある人
・日光浴やレジャーはある種ステータス
・焼けた肌も、特権階級を証明するステータス

労働=屋外での仕事だった昔とは変わり、オフィスワークが増えた現在。白黒の意味・価値観が逆になったとも言えそう。

■日焼けが流行るキッカケを作ったシャネル

ヨーロッパで日焼けが本格的に流行り出したのは1920年頃。
産業革命の流れで、時間に余裕ができた人のビーチやアウトドアといったレジャーが流行り出す。

自然な流れで日焼けする人が増える。

中でも、「日焼け」が流行ることになった大きなキッカケをもたらしたのが、あのココ・シャネル。多くの女性の憧れブランド「CHANEL」の創始者です。

シャネルが活躍する少し前時代の(貴族の)おしゃれといえば、コルセットやお姫様のようなパステルカラーのふわふわロングドレス。

そんな中で、働きやすく動きやすい、現代的なモノトーンとマスの美学で現代に通じるスタイルを流行らせたのがココ・シャネル。

孤児院の幼少期からお針子になり、時代を牽引するデザイナー&起業家女子へと、自ら「働く自立する女性」を体現したのが彼女です。

シャネルは創り出す側のみならず、美しい顔立ちとスレンダーなビジュアルで当時のモード界のファッションアイコン・広告塔としての存在感もあったとか。

そんなシャネルが、1920年にフランスのビーチで日焼け。
ファッショナボーなシャネルスタイルと、こんがり小麦色に焼けた肌の写真が世に出るいなや、「日焼け」は瞬く間にモード界のに躍り出たのであります。

、、、。

と、筆に任せて書いてみましたが、そんな部分もありつつ…。

(あと、スレンダーな美学も痩せたシャネルの影響はかなり大きいと言われています。今では定番のボーダー柄を、海兵さんの制服からファッションの土俵に上げたのもシャネルとか)

(ちなみ、この前年にシャネルは生涯最愛の人と言われるアーサー・カペルを事故で亡くしています。きっとまだ悲しみも癒えない中、世のアイコンになる心中やいかに…!

孤児院からモードの頂点に立った後、一度オワコンとも言われた中での帰り咲き等、恋も仕事も波乱万丈だったシャネル。死ぬまで自らカッコいいバリキャリウーマンだった彼女ですが、そのココロは彼女のみぞ知る…。)

■近代化と日焼け

特権階級のステイタスが「室内にいること」だった時代。
その時代の「白さ」には、美しさ以外にも富や希少性の意味もあったのでしょう。

しかし、室内で働く人が増えれば意味付けも変わる。
働く場所が逆転したことで、白黒と美の意味も一転した部分もあります。

ヨーロッパで日焼けが流行り出したのは、先程ふれた第一次世界大戦後の1920年頃。

第一次産業革命が終了し、工場制機械工業がリアルに広まった頃です。ちょうど都心部では室内で働く人口が増えた時代とかさなるはず。

美容も日焼けも美意識も、実は経済とは切っても切れない関係にあるのでした…。

今日もよく分からない、着地点…。

—-

※シャネル話は下記書籍に詳しいです。
10年程前に読んだ切り、今はもう手元に無いのでどの本にどの内容が書いてあるか覚えてないですが一応。この記事の内容は、下記の本を読んだ経験を元に書いています。

『シャネル―スタイルと人生』
ジャネット ウォラク (著)、中野 香織 (訳)、2002、文化出版局

『獅子座の女シャネル』
ポール・モラン (著)、秦 早穂子 (訳)、1977、文化出版局

『ココ・シャネルの星座』
海野弘 (著)、1992、中央公論社