立春立夏立秋立冬。四立に隠れる精神性は、陰極まれば陽となる

暦を知ることは、とても深くて面白い。

季語・和暦への興味から始まり、暦(こよみ)を辿っていたら、あっという間に古代エジプト、ナイルの氾濫まで遡ってしまいました。

それについては別記事で(きっと)書くとして…。
これは流れることもあるパターン…

暦には、その土地土地の考え方・時間の捉え方・季節感・暮らしの知恵・政治事情等がたくさん詰まっています。

今日の主役は
「立春・立夏・立秋・立冬」。

これらは太陽暦に基づいた二十四節句の言葉で、4つ合わせて「四立(しりゅう)」と呼ばれています。

四立は、昼夜の長さ(天体の角度)から1年を4つに分けた「春分・夏至・秋分・冬至」の各中間点です。

それは分かりやすくその通りなのですが、もう少しソコに何かこう、精神的な意味を深掘りしてみると面白いのでシェア♡

立春:2月4日頃
立夏:5月6日頃
立秋:8月7日頃
立冬:11月7日頃

.
2月上旬の寒い時に「春が立つ」
8月上旬の夏真っ盛りに「秋が立つ」だと…

どれも季節を先取りしすぎてる感…。
初モノ好きな日本人とはいえ、旧暦の日付と季節感から見ても、体感的にも温度的にもすこし早すぎる感が否めない。

各季節のど真ん中に、なぜ次の季節名が入ってくるのだろうか。

謎解くキーワードは
「陰極まれば、陽となる」。

季節感の分かりやすい冬と夏を例に、具体的にみていきます。

■立春、2月4日頃

この頃は1年で最も寒い時期。
「暦のうえでは春ですが」とはいえ
2月初旬に春など感じられない。

寒さ極まる冬のピーク。
春の気配は何もない。

なのですががが!
だけれどだからこそ。

山頂へ登ったならば
どこかへ行くには、一度下る必要がある。

立春ひとつ前の二十四節句は「大寒」。
大きな寒さが来たのなら、ここからは春へ向かうのみ。

陰極まれば、転じて陽となる転換点が「立春」だとも言えそうです。

■立秋、8月7日頃

夏真っ盛りの8月上旬。
まさに真夏のど真ん中。

秋の気配はどこにもない。
けれど真っ只中の盛り= 夏へと「向かう」時期は終了したこと。

立秋の前は「大暑」。
大きな暑さが済んだのならば
あとは秋へと向かうのみ。

栄枯盛衰、てっぺん極めたそれならば。
移るは次の、季節へと。

ここから秋が、少しずつ。
季節の変化、目には鮮やかに見えずとも
風に自然に秋の気配をどこか感じる、、、

秋来ぬと 目にはさやかに見えねども
風の音にぞ おどろかれぬる

古今和歌集の有名な和歌です。
立秋の日に詠まれたとされますが、まさに現代にも通じる立秋の日の感覚なのかもしれmas…

■四立(しりゅう)に見る日本人の季節感と精神性

ある季節のピークに
次の季節へ向かう心を見る。

ピークだからこそ移り変わる。
山頂からは、山下る。

立春・立夏・立秋・立冬。
見えない部分で季節を捉えた感覚。

陰極まれば、陽となる。
1つの季節を極めたならば、それならば。

目には見えなくとも、自ずとそこは
次への転換点と、なるはずだろう。

。。。

「夜明け前が一番暗い」。
光のみならず音にも言えるようです。

1日24時間のうち、自然界に最も「静寂」が訪れる時間帯は夜明け直前なのだとか。

公共施設等の大きな音環境プロジェクトも担当される方が、自然界の様々な音を録音した時に知った事だそうです。

鳥や川、木の葉が擦れる一つひとつの音が一番鮮明に録音できたのは、日が昇る直前だった、、、。※

最も静かで暗いところから
新たなことが、始まっていく

、、、
。。。

いろんな物事は繋がっている。

完璧に断絶されたものはなくて、そのつながりを知るのが見るのが発見するのが、面白いなぁと思うのです。。。

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※『見えないデザイン ~サウンド・スペース・コンポーザーの仕事~』井出祐昭 (著)、ヤマハミュージックメディア、2009年