歪(いびつ)さをこそ、愛したい。正義とアンパンマンとバイキンマンの関係
自分の行動は正しかったのか、間違っていたんじゃないだろうか。自分の「正義」をふりかざして否定はすれど、代替え案すら出していなかった。
仕事で行き詰まり「正しい」の“答え”を探していた時に、本屋さんでストンと身体に入ってきた「アンパンマン」で有名なやなせたかしさんの言葉。
正義のための戦いなんてどこにもないのだ
正義はある日 突然反転する
逆転しない正義は献身と愛だ目の前で餓死しそうな人がいるとすれば
その人に
一片のパンを与えること
正義なんて正しいなんて
立場が、見方が、目的が変われば
コロッと変わってしまう。
世間体や常識で見たらとんでもないことをしている人でも、それがその人の命がけの「正義」ということもあるかもしれない。「正義」という建前のさらに奥にある、自分が持っている価値観と判断基準は何だろうか。
考え方・思考・目的・利害関係。
「正義」は、人の数だけあるのかもしれない。「正義」の中身を見ても分からない、「正しさ」の蓋を開けても分からない。その先にあるものは何だろうか、その先に、何を見た結果の「正しい」なのだろうか。
アンパンマンにはアンパンマンの正義。
バイキンマンにはバイキンマンの「正義」。
正しさを主張すればするほど、正しくない人が作られる。
正義を主張すればするほど、悪は色濃くなっていく。
大好きな吉岡徳仁さんの作品。
スマホ撮影OKだったので迷わずパシャリ。反射する陰影がとてもキレイです。
ー歪さ[いびつさ]ー
正しからず。
正しくないと書いて
歪(いびつ)。
パーフェクトにはなれそうにない。
アンバランスで、でこぼこで、できないことも、たくさんある。逃げもするし、人を嫌いもする。
効率悪くて間違いもしまくる臆病なのに、そのくせ結局、自分が1番かわいいくて自分が正しいと思っている(タチが悪い)。
「正しい」よりも「歪(いびつ)さ」にこそ、その人らしさは、出るのかもしれない。
□引用:やなせたかしさんの著書・『アンパンマンの遺言』(岩波現代文庫)より