花はもう何百年も前からトゲを生やしている。それでも、、、の王子様が好き

「花はもう何百年も前からトゲを生やしている。それでもヒツジは何百年も前から花を食べている。
なのに、何の役にも立たないトゲをどうして花がわざわざ生やすのか考えるのは重要じゃないって言うの?」

 

世界中で『聖書』の次に読まれているとも言われる名作文学『星の王子さま』。
その中で「王子さま」が怒りでワナワナと青ザメる位のテンションで「ぼく」に語った言葉です。

この時「ぼく」は、飛行機がサハラ砂漠の真ん中に不時着。飲み水も少なくなる中で、必死に壊れたエンジンを直していました。
「生きるため」には、エンジンを直してここから脱出することが最重要事項。そんなくだらない子どもの問いに向き合うヒマはありません。

 

緊急事態、大事件!
どうにかしなきゃ、まずコレだ。
コイツにかまっちゃいられない。

「生きる」ためには直さなきゃ。
今すぐしないと死んじまう。
とにかく修理が先決だ。

そんな疑問はどうでもいい。
ふとした気持ちは置いといて

生きるためには
死なないためには
生産性の、あることを。

 

 

果たして。
「生きていく」ためには、本当にそうなのだろうか。
「死なない」ためには、やっぱり、目の前の壊れたエンジンを直すことだけが、最重要事項なのだろうか。

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立ち止まることは怖いです。
一見、何も進んでいないように見えるから。

休むこと寝ること、ボーっとすること非生産的なこと、感じるだけの時間や無意味なこと。それらは、生産性命な現代社会では「死」とイコールに感じられて、目の前の事ばかりに一喜一憂してしまいます。

何も生み出さない「無用な時間」、それは今の日本では「死」に近いのかもしれません。(何を「進む」と定義するか、ですね。)

 

でも、それでもやっぱり。
「ぼく」がその問いから大切なことに気付いたように。

どうしてバラが「何の役にも立たない」トゲを持ち続けているのかを辿ってみる事 、ふとした気持ちやその時の素直な感覚を大切にすること。
それこそが、わたしが無視してきた大切なことなのかな?とも思うようになりました。

 

バラのトゲは手でもポロッと折れてしまうけれど
とてもとても、大切なもの。

でも、折れたからとて嘆くこたない。
トゲは折れても死にはしない。

人間そんなにヤワじゃない。
へばってでも、トゲをボキバキ折りながらあたり一面散らかしてでも、自分のノロマさ加減に絶望しかけたとしても。
まぁいこうじゃまいか。
(、、、あ、でも、実際のバラはまだ苗が小さい時にトゲを折られると、けっこう成長の過程で痛い部分もあるのだとか、、。何やら示唆的ですね)

 

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『星の王子さま〜Le Petit Prince〜』
ミリオンセラーもいいところ、なフランスの飛行士&作家であるサン=テグジュペリの名作。
昔は1月に20冊とか読む本好きでしたが、「象を飲み込んだヘビ」のくだりからひどく感動、開始2ページ目半ばから号泣したのは後にも先にもこの本だけです(本読めばすぐ泣くタイプではない)。
中学→高校→大学→社会人と何度も読みかえし、大好きだった一冊です。
(なぜだか今は、売りました♡)

□引用:Antoine de Saint Exup´ery (著)、池澤夏樹(訳)、2005、『星の王子さま 』、集英社文庫より